2011年3月アーカイブ

ミッション140号

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Contents
◆もっと知りたいMDGs 「目標2・初等教育の完全普及の達成」
         カンボジア・タオム村・・・・・・・・・・・・・・・林 愛子
         カンボジア・コンポンルアン水上村・・・・・高橋 真也
         カンボジア・ステンミエンチャイ・・・・・・・・浅野 美幸
◆「ウタウ ツナガル MDGs」 JLMMゴスペルコンサートご報告・・事務局
◆2011年度研修開始のお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・事務局
 日本では考えられませんが、世界には、小学校に通えない子ども達がたくさんがいます。学校が近くになかったり、子どもも働いているので学校に行けなかったり、制服やノートなどを買うお金がなかったり、理由は様々。世界中の子どもみんなが同じように小学校に行けるようにすること、ミレニアム開発目標2つ目、初等教育の完全普及の達成について、カンボジア、私の活動しているタオムでのことを書きたいと思います。
 まず、カンボジアの現在の教育制度は、小学校6年、中学校3年、高校3年で、授業は無料です。各学年の最後に進級試験があり、その試験に合格しなければ進級できません。1年に2回の試験がありますが、中学3年生と高校3年生は3回の試験があります。この試験を受けるためにはお金が必要です。この受験料というのもばらばらのようで、学年が上になればなるほど高くなり、今はできなくなったと聞きますが、普通より高く払えば、先生が手助けしてくれるのだとか?!さらに、進級試験の問題など大事なことは、補習授業で教えることがあるため、補習授業に通わなければ進級試験に合格することは難しいです。
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しかしこの補習授業を受けるにもお金がかかります。(1科目500リエル程度、1ドル=4000リエル) 学力が追いつかないから、補習授業を受けられないから、進級試験に合格できない、試験を受けたくても受けるためのお金がないなどの理由から、留年は珍しくありません。また、タオムの学生に何年生?と聞くと、姉弟が同じ学年のことがよくあります。というのは、女の子を一人で学校に通わせるよりは、男の子と一緒に通わせるほうが安心だから、とか。ユネスコ統計研究所によるカンボジアの15~24歳の識字率87.5%(2008年)を見ても、改善はされたようですが、やはり男子が89.4%に対し女子が85.5%と低いのです。15歳以上になるとさらに顕著で男子85.1%で女子70.9%です。日本のように6歳になったらみんな小学校に入学するという感覚はなく、金銭的な問題もあり、留年する子どもも多く、同じ学年でも年齢がばらばらです。
 カンボジアの教師の給料はとても安く、先ほどお伝えしたように授業終了後の補習授業で収入を得ています。そしてタオムのような農村では、教師が農業に従事していれば、稲刈りの時期など忙しくて学校に来ないこともしばしばです。生徒も先生が貧しいことを理解しています。この現状をみんな理解しているのに、カンボジア政府は教師の給料を上げることが出来ないのはなぜなのでしょうか...?しかし、こんな現状にもかかわらず、私が出会ったプノンペンで大学に通う学生の中には村の子ども達のために教師になりたいと言う子がいるのです!
 カンボジアの中央に位置する、東南アジア最大の湖トンレサップ湖。その湖に浮かぶコンポンルアン水上村では、人々が舟の家に住んで生活をしています。ベトナム移民が約7割を占めるこの村の子ども達の多くは、カンボジア語を話すことが出来ず、そのために小学校に入学することも出来ません。   彼らは、小さい頃から親の漁の仕事を引き継いで、水上村のベトナム人コミュニティという閉鎖的な社会に閉じこもったまま、カンボジアの社会に出ていくことがないのです。
 そんな状況を受けて、私達JLMMの派遣者は、現地カトリック教会が運営する識字教室「マリアーノ学校」のお手伝いをさせてもらっています。そこでは、ベトナム人の子ども達にカンボジア語の読み書きを教え、卒業生達をカンボジアの公立小学校に入学させる取り組みを行っています。水上村の子ども達の可能性を引き出し、将来に多様な選択肢を与え、カンボジアの社会にも融和していってもらえるようになることを目指してしています。
 よく、「カンボジアに一番必要なものは何ですか?」という質問を受けます。その時私は、「教育が大切だと思います」と答えています。これは、私がカンボジアに5年いて実感している、正直な感想です。
 カンボジアではポル・ポト政権の間(1975年~1978年)に、約200万人の国民が亡くなりました。極端な共産主義思想のこの政権下では、知識人や技術者、文化人などが粛清の対象となり、多くの人が処刑されました。この出来事は、内戦が終わって平和を取り戻し、復興の道を歩み始めるカンボジアにとって大きな障害となりました。あらゆる面で、リーダーシップを持って国を引っ張っていける指導者が消えてしまったからです。指導者がいなければ、後進も育ちません。復興に必要な人材が、カンボジアには圧倒的に不足していました。そして...今はどうなのでしょうか?
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 今カンボジアは、日本をはじめ、世界各国からの支援で復興を遂げつつあります。経済成長は著しく、近年の実質経済成長率は約10%です。その発展ぶりを、首都のプノンペンに戻った時に感じることが出来ます。増え続ける高級車。街のあちこちで建設中の高層ビル...。普段田舎で生活している私は「おのぼりさん」なので、その様子を「すごいな~。あ、あそこにまたケンタッキーが出来た!」なんてウキウキしながら見てしまうのですが、村に帰ったら、派遣当初の5年前と全く変わらない生活がそこにはあるのです。一体どういうことでしょう?発展しているのは都市部ばかりです。
 そんな状況を受けて、私達JLMMの派遣者は、現地カトリック教会が運営する識字教室「マリアーノ学校」のお手伝いをさせてもらっています。そこでは、ベトナム人の子ども達にカンボジア語の読み書きを教え、卒業生達をカンボジアの公立小学校に入学させる取り組みを行っています。水上村の子ども達の可能性を引き出し、将来に多様な選択肢を与え、カンボジアの社会にも融和していってもらえるようになることを目指してしています。
 よく、「カンボジアに一番必要なものは何ですか?」という質問を受けます。その時私は、「教育が大切だと思います」と答えています。これは、私がカンボジアに5年いて実感している、正直な感想です。
 カンボジアではポル・ポト政権の間(1975年~1978年)に、約200万人の国民が亡くなりました。極端な共産主義思想のこの政権下では、知識人や技術者、文化人などが粛清の対象となり、多くの人が処刑されました。この出来事は、内戦が終わって平和を取り戻し、復興の道を歩み始めるカンボジアにとって大きな障害となりました。あらゆる面で、リーダーシップを持って国を引っ張っていける指導者が消えてしまったからです。指導者がいなければ、後進も育ちません。復興に必要な人材が、カンボジアには圧倒的に不足していました。そして...今はどうなのでしょうか?
 今カンボジアは、日本をはじめ、世界各国からの支援で復興を遂げつつあります。経済成長は著しく、近年の実質経済成長率は約10%です。その発展ぶりを、首都のプノンペンに戻った時に感じることが出来ます。増え続ける高級車。街のあちこちで建設中の高層ビル...。普段田舎で生活している私は「おのぼりさん」なので、その様子を「すごいな~。あ、あそこにまたケンタッキーが出来た!」なんてウキウキしながら見てしまうのですが、村に帰ったら、派遣当初の5年前と全く変わらない生活がそこにはあるのです。一体どういうことでしょう?発展しているのは都市部ばかりです。
 子どもの可能性は取り巻く環境と教育で大きく飛躍します。しかし、より良い将来を切り開いていくための教育を考えると、ルッセイ村の子ども達の前には問題と課題が山積みです。カンボジアは初等教育の就学率は高いといわれていますが、途中で行かなくなってしまう子ども達が少なくありません。卒業せずに去っていく理由は様々ですが、経済的問題や親の教育の重要性の無理解、カンボジアの教育制度の問題などが挙げられます。
 経済的に貧しい家庭環境によって、教育機関へのアクセスが困難な子ども達が、ここステンミエンチャイ・ルッセイ村にはたくさんいます。子ども達は親を助けたい思いで、家計を支えるために学校へ行かずゴミ集積場へ働きにいくのです。また子どもに教育の機会を確保するために親の現金収入は不可欠ですが、ここではアルコールやギャンブル依存のため、子どもの教育のために使用するお金を浪費してしまう親もいます。
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 「子どもの家」に通っている子どもの親たちは、田舎で農業を営んでいた人たちです。家族を養うための充分な収入を得ることが出来ずに仕事を求めて都会に出てきた人たちで、長く続いた内戦により、教育を受ける機会に恵まれなかった親たちは日々生活の糧を得るのに忙しく、親にとっては子どもは大切な労働力です。毎日子ども達は家の手伝いや幼い妹や弟の面倒をみなければなりません。子どもの教育の大切さを自覚している親もいますが、子どもに頼らなければならない厳しい現実があります。そのため家には、日本の子ども達のような可愛い玩具や文房具、絵本など、情操面を育てるような遊び道具はほとんどありません。
 カンボジアの学校の問題や課題も、子ども達を学校から遠ざけている要因の一つです。公立の学校の先生は給料が安く、他に副業を持たなければ生活できないので、教えることに熱心ではありません。雨が降ると先生たちは学校に来ないと聞きます。先生たちは収入を得るために、子ども達に補修授業料としてお金を徴収します。試験に出る大事なところは補修授業でしか教えないため、進級するためには補修授業に出席しなければなりませんが、この補修授業料は上の学年にいくほど高くなるため、このお金を払えない親たちは、子ども達を学校には行かせたがりません。そのため、子ども達は解らない所を教えてもらうことができず、授業が解らないと面白くないので行かなくなり、中途退学して家計を支えるために働くようになってしまいます。また、日本では6歳になったら小学校に入学しますが、この地域では、家庭の事情で10歳、11歳になってから小学校に入学するのは珍しくありません。しかしある程度年齢が上がってから勉強を続けることは非常に難しく、働く道を選んでしまいがちです。小さい頃から学校に行く習慣を身に付けることはとても大切なことです。

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